トリカブト類(キンポウゲ科)
 北半球の暖帯から寒帯にかけて広く分布する多年草で、塊根を有します。多くの種類があり、北海道にはオクリトリカブト、エゾトリカブトなどが自生するほか、ハナトリカブトが薬用に栽培されています。
 古代から猛毒植物として知られ、東西を問わず毒殺に用いられてきました。アイヌ民族は矢毒として使用していましたが、明治9年に禁止されました。薬用には、塊根〔烏頭(うず)、附子(ぶし)〕を種々の方法で減毒してから使用します。
 若葉は山菜のニリンソウ(フクベラ、キンポウゲ科)やモミジガサ(シドケ、キク科)などと似ており、北海道や東北地方では毎年のように誤食事故が起きています。この花からハチが蜜を集め、それを食べた山林関係者が中毒した例があります。
 全草特に塊根にアコニチンなどのアルカロイドを含みます。誤食すると、嘔吐、口唇手足の痺れ、血圧効果、不整脈、呼吸麻痺などが起こり、死に至ります。数枚の葉でも危険です。
エゾトリカブト エゾトリカブト
ハナトリカブト  ハナトリカブト