ハッカ

アップルミント
ハッカ(シソ科)
全国のやや湿った土地に自生する高さ80cm程になる多年草で、長い地下茎で繁殖します。茎は四角く、葉は向きあって付き、全草に強い芳香があります。夏から秋にかけて、淡紫色の小花を多数付けます。薄荷油の原料植物として江戸時代から栽培されており、数多くの品種があります。
開花期に茎葉ごと刈り取り、陰干しにしたものは薄荷と呼ばれ、メントールという独特の清涼感と芳香を持つ成分が含まれています。健胃薬、かぜ薬、頭痛薬などに配合されるほか、香料として食品、化粧品などに広く利用されています。精油には中枢抑制、血管拡張、皮膚刺激作用などがあります。かぜの熱、頭痛、めまい、消化不良、歯痛などに、葉の粉末に熱湯を注いで服用します。虫さされには生葉の汁をすりこみます。葉は入浴剤としても利用できます。
明治時代に湧別で大規模に栽培され、その後、北見地方が主産地になりました。戦前には世界の生産量の70%以上を占めましたが、合成メントールができてから需要が減少し、栽培面積も激減しました。
なお、香りの異なる洋種のハッカとして、セイヨウハッカ(ペパーミント)、ミドリハッカ(スペアミント)、ホースミント、アップルミント(マルバハッカ)、メグサハッカ、ウォーターミントなどがあります。

生薬名:薄荷(はっか)
薬用部位:地上部