ゲンチアナ(リンドウ科)
ヨーロッパの高冷地、寒冷地に広く自生する多年生の亜高山植物で、茎は直立し、開花期には1.5メートルにも達します。葉は大形で長く、葉脈が目立ちます。根は太く、肉質で、地下深く伸び、長さ1メートルにも達します。6月中下旬、葉腋に鮮やかな橙黄色の花を3〜10個付けます。
古代ギリシャ、ローマ時代から薬用として用いられています。その根を食欲増進、消化促進、強壮に、花を解熱などに、新鮮な葉を湿布薬に用います。根には強い苦味があり、我が国では苦味健胃薬として胃腸薬に配合しています。
我が国における栽培は長い間失敗続きでしたが、薬草一筋六十数年の水谷次郎翁(札幌、故人)が昭和34年にドイツ産種子を入手し、5年後に開花・結実に成功しました。
北海道や長野県のように、冷涼な土地が栽培の適地で、名寄市で試作されています。

生薬名:ゲンチアナ
薬用部位:根