遺伝子組換え食品

「遺伝子組換え食品」、最近、よく耳にする言葉です。どのような食品なのか、どのようにしてつくられたのか、その安全性はどうなのか、色々と議論されています。そこで、遺伝子組換え食品について簡単に説明したいと思います。

遺伝子組換え技術と遺伝子組換えによる品種改良

最初に、遺伝子組換え食品に使われている遺伝子組換え技術と遺伝子組換えによる品種改良について説明します。

1. 遺伝子組換え技術
細菌や植物などの生物から遺伝子を切り取って、その遺伝子の構成要素(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)の並び方を変えて、もとの生物の遺伝子に戻したり、別の種類の生物の遺伝子の中に挿入したりする技術をいいます。
たとえば、果物が熟するのをストップさせる遺伝子を植物の遺伝子に挿入することで、日持ちのするトマトをつくり出すことができます。

2. 遺伝子組換えによる品種改良
今まで、植物の品種改良は花粉をめしべにつける交配によって行われてきました。 そのため、めざす性質を持った品種を得るためには何度も交配を繰り返さなければならず、長い時間がかかりました。
一方、めざす性質を持った遺伝子のみを細胞の中に挿入し、細胞を培養して目的の植物を作り出すのが遺伝子組換えによる品種改良です。
遺伝子組換えによる品種改良の特徴として、通常の交配よりはるかに短い時間でめざす性質を持った品種を得ることが出来ます。 また種の壁を越えて、異る生物の間でも遺伝子を挿入することができるため、農産物などの改良の範囲を大幅に拡大できます。

遺伝子組換え食品

現在、厚生労働省により安全性が確認されている遺伝子組換え食品には、農産物の304品種と、食品添加物21品目があります(2016年3月16日現在)。

農産物 食品添加物
ダイズ 21品種 α-アミラーゼ 8品目
トウモロコシ 201品種 キモシン 2品目
ナタネ 20品種 プルラナーゼ 2品目
ジャガイモ 8品種 リパーゼ 2品目
テンサイ 3品種 リボフラビン 1品目
ワタ 45品種 グルコアミラーゼ 1品目
アルファルファ 5品種 α-グルコシルトランスフェラーゼ 3品目
パパイヤ 1品種 アスパラギナーゼ 1品目
シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ 1品目