水道水の水質検査

暮らしと「水道水」

「水道水」は、飲料水として、また生活用水として、私たちの毎日の暮らしの中になくてはならないものです。
北海道の水道の普及率は98.0%(全国平均98.0%)で、834箇所の水道があります(平成30年3月現在)。 そのほとんどが小規模な水道ですが、どの水道でも私達が安心して快適に暮らせるよう、安全でおいしい「水道水」の供給に努めています。
「水道」は、その規模(給水人口)や経営の形態によって、「上水道」、「簡易水道」、「専用水道」などと区別されますが、安全な水をつくる仕組みは変りません。

「水道水」ができるまで

川の水や地下水は、次のような工程を経て、私たちの家庭や学校に届けられます。 特にきれいな地下水などは、途中の工程を省くこともあります。


原水 「水道水」の原料となる水を「原水」といい、その「原水」を供給するところを「水源」といいます。 河川水や、地下水などの「原水」は、それぞれ川や湖などの「水源」から供給されます。
「原水」のままでは、ゴミ、微生物、微量の化学物質などの様々な不純物を含んでいます。


着水井 「浄水場」は、「水道水」を作る工場です。 「水源」の取水口(水の取り込み口)から取り込まれた「原水」は、いったん「着水井」(ちゃくすいせい)に入ります。
混和池
沈殿池
「原水」の濁りの成分や不純物を沈殿しやすくするために、薬品を加えてかき混ぜます。 水がゆっくりと流れていく間に、大きくなった濁りや不純物のかたまりを沈殿させて取り除きます。
ろ過池 濁りを取り除いた水は、ろ過池に送られ、砂の層でろ過します。 砂の層を通ると、沈殿池で取り除けなかった細かな粒子も取り除かれます。
塩素注入 最後の仕上げです。塩素を入れて水を消毒します。
貯水池 「水道水」として安全な水かどうかの検査をして、一時的に溜めておきます。
ここでは、色や濁り、残留塩素の検査を毎日行っています。
配水池 「水道水」が私たちの家庭や学校などいつでもたくさん使えるように、大きなタンクにたくわえておきます。
家庭 給水栓 蛇口をひねると、安全な水をいつでも使うことができます。

水質検査

「水道水」は、私たちが安心して利用できるよう、「水道法」という法律によって、次の六つの要件を備えていなければならないとされています。

「水道水」の六つの要件
1. 病原微生物に汚染されていない、またはその疑いがない。
2. シアン、水銀などの有害物質を含まない。
3. 銅、鉄、フッ素などを過量に含まない。
4. 異常な酸性またはアルカリ性を示さない。
5. 異常な臭味がない。
6. 外観が無色透明である。

これらの要件に基づいて、安全な「水道水」であるために51項目の「水質基準」が定められています(平成31年3月現在)。51項目には、健康に関する項目(31項目)と「水道水」の性状に関連する項目(20項目)があり、定期的な水質検査が義務づけられています。
また、「水質基準」を補うものとして、水道水中での検出の可能性があるなど、水質管理上留意すべき項目である水質管理目標設定項目(26項目)や、毒性評価が定まらないことや、浄水中の存在量が不明等の理由から水質基準項目、水質管理目標設定項目に分類できない項目である要検討項目(47項目)もあります。

各種の水質検査は、衛生研究所のほか、道立保健所、大きな市の水道局の水質試験所(室)、厚生大臣の指定研究機関などでも行っています。